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自律神経の不調を引き起こす②社会環境ストレス(その2)

--- 【これまでのブログの要点】 ---------------------------

自律神経の不調を引き起こすストレスは“原型的”ストレスとして【①自然環境ストレス ②社会環境ストレス ③個人環境ストレス】に大別され、これらは単独または相互的に絡まり新たな“現代(文明)的ストレス”を形成することがある。対処するにはそのストレスの形を知ることが肝要である。

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ということで、今日は前回ブログの続きで①社会環境ストレスについての『その2』です。



実は今回の『その2』の内容は、以前に書いた『自律神経の不調は進化の代償』と同じようなことなので、そちらをご覧になった方は飛ばして頂いて結構なのですが若干付け加えて改めてもう一度書きたいと思いますが、まず最初に人間の脳を構成する大脳新皮質系と大脳辺縁系について理解しておくと解りやすいので、先にご説明します。


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大脳新皮質系とは人間の進化と共に発達してきたもので、知性や理性や経験などの情報を基に感情を発したり、物事を思考したり判断するなど、生物として非常に高度な働きを司る部分です。それに対して大脳辺縁系とは、人間の誕生した初期から形成されているもので、恐怖や怒りや快・不快といった情動を発したり、体温調節や睡眠、食欲や性欲など「生きること繁殖すること」といった非常にベーシックな動物本能的な働きを司る部分です。ちなみに自律神経はこの大脳辺縁系の一部である視床下部という部分に働きを支配されていて、脳から受け取った情報に基づいて視床下部を通じて各臓器や器官を働かせたりホルモンの分泌などを調整しています。

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さて本題ですが、この『社会環境ストレス』とは以前に書いた『自然環境ストレス』とは違い、人間がその高度な部分(大脳新皮質系の働き)を使って、生産性を高める方法を生み出したり、便利で生活を豊かにする様々な物を開発して文明を創ってきたことで生まれたストレスのことです。


これはまたあげだしたら非常に沢山ありブログが長くなってしまいますので、解り易い例を少しだけあげると、まず代表的なのは生活の多様化による深夜活動(遊びであれ夜勤であれ)が生み出す体内時計へのストレスです。人間の身体は長いサイクルでいえば一生のうちで幼少期や成長期や更年期や老齢期など、その時期によって(特にホルモンの分泌など)自律神経が働くべき時が体内時計に刻まれています。また女性などは一ヶ月というサイクルで性周期(生理周期)が同じように体内時計に刻まれていますし、一日というサイクルでは誰もが朝-昼-夕方-夜で自律神経が働くべき時が体内時計に刻まれています。ここがストレスによって正常な働きをしない場合は、生涯サイクルにおいては成長不全、短いサイクルでは婦人科系の不調や不妊、もっと短いサイクルでは食欲過多や食欲不振、不眠などが現れてきます。


またもう一つ代表的なものとして冷暖房などによる体温調節へのストレスも様々な身体の不調を引き起こしているのも周知の事実と言えます。これについては以前のブログ「自律神経の不調を引き起こす①自然環境ストレス」に既に以下のように書きました。


冷暖房の普及による非自然的な急激な温度差ストレス。とりわけ冷房によるものは深刻で、冷房を利用する夏は室内や車内を20数度まで下げて過ごしますが、外はコンクリートやアスファルトの輻射熱によって30数度まで上昇しています。この温度差はおおよそ10度!原始的かつ動物本能的な働きをする自律神経にはとても対処できる温度差ではありません。当然この急激な温度差によるストレスは身体の様々な不調を生むことになります。

こうしたものは社会環境ストレスが連鎖したもので、冷房に関しては最初に文明の進化と共に高い温度を吸収し湿度も保ってくれる「土」からコンクリートやアスファルトに社会生活が変わったこと。そのため(だけではありませんか)温度が下降しなくなり、その暑さを回避するために冷房を生み出し温度環境に介入した結果、といったところでしょうか。


このように『社会環境ストレス』は概ね人間が文明の進化と自然への介入をした結果、人間の自然的かつ動物本能的な部分(大脳辺縁系が司る働き)にストレスを与えているということになります。極端な言い方かもしれませんが、同じ場所に在る脳でありながら高度な知能や知性を持つ大脳新皮質(の働き)がベーシックで単純な大脳辺縁系(の働き)にストレスを与えていく・・・なんとも皮肉なものです。しかしそれもまた人間の進化の過程なのか、それとも自滅へ向かう宿命なのか・・・そのように考えを巡らせてしまうこともあります。



さて、次回は最後となる『③個人環境ストレス』についてです。



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